君と出会ったのは、高校一年の春だったね…

｢先生!もうすぐ来るよ!｣
施設中に響きわたる声でこう言ったのは…青柳空
ここは、親に捨てられた子や親がいない子などが住んでいる｢春夏秋冬｣という施設。1歳～15歳の子がみんな仲良く暮らしている。

今日は新しい子がくる。15歳で最年長の私は、施設の先生とドタバタしていた。でも、新しい子は私と同じ歳だったから結構楽しみだった。
｢ピーンポーン｣
チャイムがなった瞬間、施設のみんなは玄関へ走った。
｢みんな、ホールで待っていて。空ちゃんだけは来てね。新しく来た子を色々と案内してあげて。｣
先生はこういい残し玄関に向かった。
みんなは私を見た。私は手を合わし玄関へ急いだ。
｢ガチャ｣
ドアが開き、外に、40代後半くらいのおばさんと、大きなバックを持った男の子が立っていた。
｢中へどうぞ。｣
先生は少し微笑んだ。おばさんは
｢初めまして。司クンをよろしくお願いします。｣
そういい、ぺこりと頭を下げた。
司クンかぁ。目がキリリとしていて、私より背が高い。
私はもしかしたらこの時から運命を感じていたのかもしれない。
｢初めまして。施設で最年長の青柳空です。よろしくね。｣
私も先生と同じように微笑んだ