私はその夜、
野宮さんに電話した。

電話をしているとき、
少しだけ不安になった。
内容がまったく説明されず
ただ明日昼の2時に会いましょうとい言われ
FAXで地図が送られただけだったから。

徹に言ったら
絶対に反対されると思ったので
このことは内緒にしておいた。

そして次の日、
会う時間になった。

FAXで送られてきた地図を頼りに
細く暗い道を歩いて行った。

「ここ絶対なんかでるよ…」

と一人でボソボソ言っていると、
目の前には大きな建物。
ここだ。
予想以上に綺麗で大きく立派だった。

中に入ると
女の人が私のところに来て、
「こちらです」
とだけ一言いった。
私は愛想のない人だなぁと思いながらも
ついていった。