「お疲れ様でーっす!!!」

私はビクッとした
重たい空気は
遊園地の従業員によって
放たれた。


観覧車から降り、
近くのベンチに座った。
そこでやっと徹を見た。

「徹?・・・徹っ!?」

徹は顔を手で覆い、
何かを恐れるように
震えていた。

徹を抱きしめようと手をのばした。
抱きしめてあげたい。
でも罪悪感から
そんなことはできなかった。
私はのばした手をぎゅっと握りしめた。

「ごめん・・・ごめんね、徹。思い出させちゃったよね・・・悩ませたよね・・・徹だって辛いよね・・・」

涙が溢れでた。

私は何も考えていなかった。
自分ばかりが不幸だとか
思っていた。最低だ。



徹はそんな私の頭を撫でた。

その手は
とても温かかった。