沈黙が、羞恥と不安を掻き立てる

数秒前に自分が発したセリフに
顔から火が出るほどに恥ずかしくなって
今すぐ取り消したいくらい


こんな事、誰にも言った事がない
思った事もない


今までの私は、何だったんだろう
今までの恋愛は、何だったんだろう


自分がこんなにも女々しい女だったと気付かされる


「綾にならいいかもな」

「……え?」

「……束縛されても」

「………」

「仕事できる男だからさぁ~俺。お前の事、考えっぱなしでも他のヤツよりこなす自信あるし」

「悠……」

「お前が言ったんじゃん?」

「え…?」


「俺が思ってて、綾が思ってないわけないんだろ?」

そう言って笑う顔は極上に甘くて…


「俺が先に言う?それとも綾が言う?」


その事が、何を意味するか分かってしまうあたり
やっぱり私達は気が合うんだね…



「「愛してる」」





fin