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情事の後を洗い流すことなく
バスローブを羽織り直して
冷蔵庫から取り出したビールを流し込んだ


喘いで渇いた喉に、冷たいビールが
喉を潤していく


「いつも、旨そうに飲むよな。」

紫煙を吐き出しながら空いた手で私の肩を抱く悠


「だって、美味しいもん」

飲む?とジェスチャー付きで缶を差し出せば
眉をひそめて首を横に振る




「俺達、どんだけ盛ってんだよ…」

天井に昇る煙を目で追いながら
自称気味に笑う悠


「ホント、数歩歩けばベッドなのにね」

そう言って向けた視線の先には
部屋に入った時同様、一つも乱れていない
真っ白なシーツの掛ったベッドが存在していた



短くなったタバコを指で摘み、最後の一吸いを
して灰皿に押しつけながら
肩を抱く力が少しだけ強まった

「なぁ…」

「…何?」

「滅多に出会えないと、思わね?」

そう言う悠に視線を向けた

「価値観も、体も合うヤツなんてさぁ…」


「…そうだね」

嬉しかった。セックスの最中にそう感じてた自分
それを、言おうか迷っていた自分

きっと、悠も言いづらかったはずなのに
口に出してくれたことが嬉しかった