何も付けない体にバスローブを身に付け
悠の待つ部屋に入った


窓際に置いてあるソファーに腰掛け
紫煙を吐きだした悠と、目が合った


まだ乾き切っていない髪の隙間から覗く
切れ長の目に、色気を感じた


お揃いのバスローブは、胸元が少し肌蹴ていて
厚い胸板が少しだけ見えた


「おかえり」

「うん。ビール飲んでもいい?」

「どーぞ。」


小さな冷蔵庫から缶ビールを1本取り出し、
一口飲んでから悠の方を振り返ると

自分の隣をポンポンと叩いて
座るように促された


軽く頷いて、悠の隣に座ると
同じボディーソープの香りが鼻を掠めた


「緊張する?」

「……うんん」

「俺は緊張してる」

「…何言ってんの」


そう言えば、悠は私の空いた手を握って
自分の肌蹴た胸元に私の手をあてがった


走った直後みたいにバクバクいってる
悠の心臓の鼓動が、私の掌に直に伝わる


「…な?尋常じゃなくね?」

「うん…。私にもうつりそうなんだけど」


ふと気付いた
悠の手と自分の手が初めて重なった事に


「それが狙いだから、うつりな。」