俺は、 机に向かった。 野球に関係するポスターや、ベッドに立て掛けてあるバット、グローブに、ユニフォームに、スパイク。 すべてをクローゼットに押し込んだ。 普通、吹っ切ろうとするなら棄ててしまうんだろうけど、 応援してくれた、お袋や、親父、それから兄貴…… に悪いと思ったから、 棄てられなかった。