「……君が夏奈の彼氏か。」
そう。やはりそこには、最大の壁(?)
夏奈の親父さんがいた。
「はい。
安藤尚といいます。」
「……爽やかな髪型をしているな。
何かスポーツをしてるのか?」
「お、お父さんってば、ボケてんじゃないの?!
いつも話してるじゃない!」
夏奈は騒ぐ。
きっと、本人から聞きたいんだろう。
だから続けた。
「はい。
夏まで野球をしていました。
3年なので、引退しました。」
「そうか。
実はな、私も高校は野球をしていたんだ。
気が合いそうだな。」
ふっと笑う親父さんは、時々考え事をしている夏奈に似ていた。
「これからは、ちょくちょく来なさい。
野球の話でもしようか。」
「はい!
ありがとうございます。」
キッチンを見ると、夏奈と夏奈の母親が微笑んでいた。
どちらかというと、母親似なんだろうか。