少しして着いたのは真っ暗な公園。


ここで飲むんかな?
なんか出そうなんだけど

なんて思いながら車から降りると

「なんか紗耶香ちゃんて車詳しいんやなぁ?」

あっ直先輩だ…。

「そんな詳しくないですけど…のり先輩の車うちのパパと同じ車なんで…。なんか凄いです」

「そうなんや〜あれも、のりの親父の車やで。俺らの歳であんなええ車乗れる奴なんかおらんで」


なんて二重の目を細めながら話す直先輩は

背も高くて透き通る位綺麗な白い肌してて短髪ののり先輩とは真逆で直先輩は

オシャレな2トーンのヘアーカラーに襟足が伸びていて見た目はホストクラブで働いてそうな人だった。


「直先輩はなんの仕事してるんですかぁ?……っ!」

聞いて後悔した。
いまさっき自分でホストにいそうだって思ったばっかじゃんか…

「俺?俺は見習い美容師。美容師いうてもまだ本当に卵やで」

あ…

いま笑った。
でも、その笑顔はどことなく寂しそうで優しくあたしに笑いかけた。