「嘘だろ…。」
「嘘じゃ…ない。」
泣きそうになるのを堪えてのどに力が入って言葉が途切れ途切れになる。
「他に好きな人出来たか?」
そんなの出来るはずない。
先生が好きなんだから…。
「居ません…。」
「なら、俺は諦めねぇよ?俺には麻美しか見えねぇからさ。俺はずっと待ってる。」
ありがとう。先生
「もう…失礼します…。」
出て行こうとした時、先生に腕を掴まれた。
やめてよ…。
私、諦めなくちゃいけないのに…諦められなくなっちゃうよ。
抱きしめられていた。
先生の腕。
先生のぬくもり。
忘れたくない…。
でも、行動は真逆で
私は先生を突き放した。
「やめてっ!!」
走って、走って。
行き着いたのは図書室ではなく、屋上。
図書室は、先生との思い出がある場所。
今の私に、先生との思い出がある場所へは行けなかった。
弱い私。