私は話をそらした。
「ねぇ先生、このレポートどんな事書けばいいの?」
「あ?あぁそれな…CMでもやってんだろ?あぁゆうやつをだなぁまあ適当に参考にして書きゃいいんだよ。」
「せ、先生…そんな適当過ぎるよ…通知表どうやって付けてるの?」
「まぁ…あれだ、あれ、人は学力だけじゃないしな…。」
そう言っていつもみたいな悪ガキっぽい顔ではなく、優しい顔でそう言った。
さっき言い聞かせたばかりなのに気持ちが揺らいでしまう。
「先生は…生徒をよく見てるんだね。」
「瀬戸も…俺の事、見てくれてるか?」
「………え?」
「瀬戸も俺の事見ててくれたら嬉しいのにな。」
どういう意味?
「先生だし…見てるよ?」
「先生としてじゃない…男としてだよ?」
「そんなの…そんなの、私には分からないっ!!」
そう言って私は教室を飛び出した。