「…?」



「なんでこの場所教えたのかって。」



そういえば、初めて連れて来てもらったとき聞いた。



「あぁ、そしたら先輩が…。」



「内緒って言った。そやろ?」



「はい。」



勇将先輩は目を細めて海を見た。



「教えたるわ。」



勇将先輩は一言放って息を整えた後、もう一回私を向いて、私の耳元に自分の口を寄せた。



鼻先に爽やかな香水の匂いがした。



勇将先輩はその体勢で私に、低く、甘く囁いた。



「それはな、お前が初めて会ったときから俺の特別やから、やで。」



その低く甘い声は私の体を熱くほてらせる。