「きら、俺からもなんか祝勝祝いせなな。」



ヘルメット越しに勇将先輩が頭をぽんぽんしたのが分かった。



「…じゃあ、こないだのとこに連れてって下さい。」



「OK。ほな、行こか。」























今は夕方。



あの海は、夕日でオレンジ色で染まっていた。



「これもこれで綺麗やな。」



「そっすね。」



二人でならんでテトラポッドの上に腰掛ける。



「…なぁ、気良。」



「なんすか?」



勇将先輩が正面を向いた。



綺麗な整った顔が真剣な顔で締まる。



「お前、俺に聞いたでな。」



勇将先輩は優しい声で私に問い掛ける。