「がんばりや。」



口パクで勇将先輩が言った。



私は小さく右手を挙げて答え、コートに向かった。
















「きぃ〜らぁぁぁ!!お前、日本一なんだってな…?」



「去年の話っすよ。」



青い顔の陸人先輩相手に、私はオレンジジュースとメロンソーダを片手に答える。



もちろん、両方私が飲むために用意したドリンクバーのものだ。



「都大会ぐらいで負けるわけないだろう…。」



「まぁそうっすねぇ。」



大会が終わり、約束通り陸人先輩に奢ってもらうために、ファミレスに勇将先輩と凜も連れて4人で来ていた。



私が第一シードだったことに疑問を持った陸人先輩は凜に問い詰めたそうだ。



「あのとき、勇将が言ってた意味が分かった…。」



今更だよ、陸人先輩。