狡い…ずるすぎる。



せっかく、泣かないって決めていたのに、涙が止まらなくなってしまう。



『俺はいつでも、気良のことを想っている。


どんなに、遠く離れていても…』



最後の英文は、そんな意味合いの篭った英文。



「こんな簡単な問題、宿題にすんなよな…馬鹿。」



私は空港で泣けなかった分、我慢出来ずに涙を流し続けた。



最後まで、かっこよすぎるよ、勇将先輩。



空色の便箋を、私はギュッと抱きしめて瞼を閉じた。