あの人は優し過ぎるから、受験勉強より、私が中国に行くまで一緒にいることを選ぶだろう。



私は、勇将先輩の夢も応援したいから。



…だから私は勇将先輩の受験が終わるまで内緒にしておこう。



心の中でそう思った。



「…そっか。気良も、行っちゃうんだね。」



私はまず凜にすべてを話した。



「ごめん、凜。」



「何でで謝るの!?気良がプロになるワンステップだよ!応援するもん!」



凜はそう言って私を抱きしめた。



陸人先輩が留学するって言ったときはあんなに悲しみを表に出していたのに。



「強くなったな、凜は。」



私は凜の頭をポンポン撫でた。