「勇将先輩のバイクの後ろに乗ったとかいったら学校の女子全員敵になるっすね。」



私は後ろの座席をぽんぽん叩きながら言った。



「気良を虐める勇気のあるやつはおらへんと思うで。」



そんな私に何故か苦笑いの勇将先輩。



「なんでっすか。」



「お前にはファンクラブが…いや、なんでもないわ。」



勇将先輩は何かを言いかけてヘルメットを被った。



「なんすか。気になるじゃかいっすか。」



「なんでもあれへんて。」


はぐらかされると益々気になるってのが人間の性分だろ。