「今日こそ勝ちたいよ。」



「日和にはいつもギリギリだから怖いな。」



私は勇将先輩から借りてるラケットを背中に回しぐっと骨を伸ばす。



日和のプレーは性格のとおり、きっちりと基本に忠実だ。



例えば龍太郎みたいにパワーで行ったり、紅先輩みたいにスピードを重視するモノじゃない。



だから、苦手なんだよね。



だけど私も父親にされた英才教育が身についてるから負けたくないし。



まあ、1セットマッチの特別ルールだから勝てる自信あるんだけどね。