「おかえりー。」



私がそう思いながら辺りを見渡していると奥からハスキーな声が聞こえた。



そういえば前、弟がいるって聞いたことがあるな。



「今日は弟と二人やねん。」



そう言いながら勇将先輩は靴を脱いで中へ入った。



「ただいま雅史。」



「勇将、今日晩飯どうするんだよー?」



雅史と呼ばれた少年は勇将先輩に駆け寄ってきた。



と同時に私を見て眉間にシワを寄せた。



「勇将、コイツ誰?」



先輩とは違い、流暢な標準語で私に言う。



「コイツじゃないし。三沢気良だし。」



私は古谷弟に言う。



「なんだよその態度?どうせ勇将に遊ばれてんだろ!」



雅史は目を吊り上げて私に怒鳴り付ける。



別に怖くないけどね。