「先輩?」



勇将先輩の瞳は鋭利に光り、私へ近づく。



そして、私の顔の右側へ、先輩の顔が突っ伏した。



…ってか、何?この状況。



「重たいんすけど。おーい、勇将先輩ー?」



隣からは微かな寝息が規則正しく聞こえる。



受験勉強で今まで疲れてた上、旅行で長時間の移動に慣れない環境。



勇将先輩だって、そりゃ眠気にも負けるよな…。



多分、私相手に安らいで眠くなったのだろう。



そのことはとても嬉しい。



私は先輩のさらさらな髪の毛を優しく撫でた。