「きらが俺のこと聞いてくるの初めてやな。」



「そうっすかね?」



勇将先輩はうんっと大きく頷いた。



「俺ん家はな、父親が弁護士、母親が医者やねん。」



勇将先輩は家族が両親と弟の4人らしい。



「長男やから、親の期待が大きくてな。でも、俺は自分の道は自分で決めるんや。」



勇将先輩がいつになく強く言った。



勇将先輩が決めた道。



介護福祉士への道。



私は勇将先輩を改めて強く美しい人だと思った。