「きら、三沢気良。」



「ふ〜ん、気良ね。俺はヤスってんだ。」



ヤスさんはにかっと笑った。



「ヤスさん。」



「そっ!俺、気に入った奴は名前で呼ばせる主義だから。よろしく!」



ヤスさんが私に片手を出した。



私は握り返す。



「いっててて!お前マジで力強すぎ!」



「あ、申し訳ない。」



私は握力37をフルに出して握っていたので、それをぱっと離す。



「お前みてぇな女、やっぱ初めてだわ。」



ヤスさん切れ長の瞳で笑った。