「パエリア、美味かったっす。だから、どうすればこんなに美味いもんつくれるんだろうと思って。」



私が言うとまたもや目が笑っていない顔。



「そういうことですか。それでは喜んでお教え致しましょう。」



…絶対、喜んでないし。



「はぁ、頼みます。」



私はこの樋川さんを信用出来ないまま、だけど表情に出さないように言ってついていった。



そしてキッチン。



「あの。」



「あ゙?」



さっきとは一転、チンピラのような態度の樋川さん。



「あんたはチンピラか。」



私は思わず呟く。



すると樋川さんはギロっと私を睨んで顔を近づけてきた。