あの時、俊さんが勇将先輩に耳打ちしていたのは多分これだろう。



「…ま、いっか。」



「俺の"俺"的には、あまり良くないんやけどなぁ。」



勇将先輩がしょぼんとする。



その姿がなんとも可愛くて私はふっと吹き出した。



「ほら、いっ行くで!」



勇将先輩が耳まで真っ赤になったまま私の荷物も持って部屋に入った。



勇将先輩のさりげない優しさ。



私は態度には出さないものの、心の中で喜んでしまった。



私って単純なんだなぁ…。