「じゃあ此処で待ってて!」 「うん、頑張れ!」 「ありがとう」 菜束は碧に軽くお辞儀をして、校舎を見上げてから走り出した。 ──誰かの為に走ったのは、初めて。 「──────…お姉、ちゃん?」 菜束の見たもの。 夏実の彼氏。 数人の男の人。 痣を顔に持った、 菜束の腹違いの姉。