「え、あお部活出るの?」
「うん、今日の午後」
「…へぇ」
「ではもうそろそろ着替えなくてはなので、失礼しまーす」
「なるべく暇なら行くけど…」
「いーよいーよ、昼間だし!じゃーね」
碧はひら、と手を振って学食から出た。
「どういう風の吹き回しだか…」
トン、トン、トン。
ダン、
トン。
「え…あれ綿貫先輩じゃない?」
「何で何でー!?退部ってやっぱり噂だったんだー」
「えー、じゃあ頑張んないとーっ」
バスケ部。
碧の所属する部活で、全国レベルの部活の一つだった。
碧は暫く休部しており、退部などと噂も流れたが、今日から別メニューを組んでもらうという条件で復部したのだ。
「…えっと」
「何緊張してんだよ綿貫の癖に!爽やか一番綿貫君です、ハイ宜しくねって!」
「じゃー、前に同じ!」
体育館が笑いで溢れた。
碧は嬉しかった。
また汗を流して、また一緒に笑い合えるのだから。