彼もこうして毎晩、30分ほど夜空を見上げている。 彼が戻ると、私も戻る。 彼は咳き込んでいる。 今日は様子がいつもと少し違うようだ。 風邪、引いちゃったのかな。 彼は部屋に戻った。 どうかお大事に。私はそっとつぶやく。 次の日、彼はベランダに現れなかった。 次の日も、その次の日も。 少しずつ、不安が募っていく。 私は彼の友達でも、彼女でもないけれど。 心配で心配で。どうしようもない不安がこみあげる。