「でも、荷物は?」


「無いよ。
もう全部…跡形もなく。」


「ホントに!?」



そんなわけ無いと思って、部屋に行ってみると…



「…」


「だから言ったじゃん。
何も無いって…」




本当に何もない。

探せば見つかるだろうけど。
そこまでして見つけて、信貴お兄ちゃんが出ていった意味がない気がした。
また突然、帰ってくるだろうし…

と思っているけど、何か悲しい気がした。

信貴お兄ちゃんが居なくなったからといって、そこまで変わりはなかった。
帰ってくる前は、2人だったし。


でも、一度ついた感覚は抜けない…