「ゆかたぁ?」
「そう!お母さん、あたしの持ってるでしょ?」
せっかく亜耶乃ちゃんが誘ってくれたんだもの。
断るわけにはいかないし。
「撮影の前の日は今までも遊びは禁止だったはずよ」
「・・・え?」
お母さん・・・?
「無理よ。夏祭りなんて行かせないわ。
 まして撮影の前の日なんて・・・」
「え、でもっっ」
「そんなに夏祭りに行きたいならもうハピ㋲なんてやめなさい‼」
亜耶乃ちゃんが誘ってくれたのに・・・・・。
ひどいよお母さん‼
「ハピ㋲になりたいって言い出したのは
 ――――――――――優奈なのよ?」
そんな・・・・・。
~♪♪
「もしもしぃぃぃ??ぁぁ翔太(しょうた)!
 え?あさっての夏祭りぃぃ??行く行くぅぅぅ~~~♥♥
 あたしフリーでさぁ、困ってたのぉぉぉ」
リビングではお姉ちゃんが彼氏からのお誘い電話に騒いでいる。
~約30分後~
「うん・・・うん!じゃああさってねぇぇ~♥
 は~い♥おやすみぃぃぃ~♥」
・・・ふう。やっと電話切ったか・・・。
~♪♪
ん?また電話・・・?
思い切ってあたしが出てみた。
「もしもし・・・」
『あ、ユウナちゃん?西村(にしむら)だけど』
「しっ社長さん!」
西村晴華(にしむら・はるか)。
今は30歳だから引退しちゃったけど・・・
10代の時はライバルなしのトップアイドルだった・・・
あたしの事務所の、社長サンです♥
『あさっての撮影なんだけど、あたし都合があって・・・
 来週に持ち越しね。ごめんね』
「えっ?!」