「おい謝れよー」
「泣いてたって進まないぜ?」
ますます涙がこぼれてく。
もう・・・やだ・・・。
あたしは逃げ出した。
教室を走って出た。
泣きながら。
「よかったね、理咲子」
「美人は理咲子だけで十分だもんね!」
「・・・まだまだよ・・・・・」
「え?」
「まだまだ・・・もっと苦しめなきゃ気がすまない・・・
 あたしに無断でモデルなんかやって・・・・・
 絶対に許さない‼」

「ただいまー」
「なに優奈っ!帰り早くない??
 今日学校休みだったとか??」
家に帰ると、お母さんがパタパタと出てきた。
「ううん、お休みじゃないよ」
「じゃあなんで・・・」
「帰ってきた」
「え?何があったの?????」
あたしはきのう夏祭りであったこと。
今日学校であったこと。
全部お母さんに話した。

「そうだったの・・・・・」
「お母さん・・・もう学校行きたくないよぉ・・・
 行ってもどうせいじめられるだけなの・・・」
ホントにもう・・・行きたくない。
「・・・そうね。いじめられるだけね。
 ・・・でも、それを乗り越えなくてどうするの」
「・・・え?」
「確かに嘘はついてたかもしれないけど・・・
 まだ今からでも謝れば大丈夫なんじゃないかしら?」

まだ・・・今からでも・・・

謝れば・・・?