俺らも、がんばろうな」

普段からほとんど熱くならない陸人が俺に言った。

「おう、美紀に負けないくらいな」

俺らは、もう少しで始まる高校生活を、精一杯がんばることを誓った。



「じゃ、帰るか」

「うん」

校門に向かって歩き出す。

あまりいい思い出なんかなかったから、強いてどうにも思わないだろうって思ったけど、もうほとんど来ることがないだろうこの学校がとても愛しく思えた。




「冬馬ー、
ほってかないでよ」

美奈花が走ってくる。

やべ、忘れてた。

美奈花に手をひかれ。
中学生最後の門を出た。