高「さーて、そろそろ戻るかな。」


「仕事まだ残ってんの?」


高「午後からは診察だよ。」


先生は飲み終えたコーヒーの缶を俺に預けて屋上を出てった。


俺も残ったコーヒーを飲み干してから屋上を出た。


少し早足で美優の病室まで向かう。


小さい時も今も、俺はずっと美優と一緒にいることだけが生き甲斐だった。



「美優?」



『あっ、美勇人遅ーい!』



この笑顔があと何回見れるのか。そんなことを考えてしまう。



「ごめんごめん、なにしてたの?」



『勉強だよ。いつでも学校に戻れるようにね。』



「そうだな…。」



美優の言葉が、無駄に俺の胸を苦しませた。