「ねぇ先生、美優は治るんだよな?」


美優の主治医の高橋先生に今買って来たばかりの温かいコーヒーを渡しながら尋ねた。


高「あぁ、きっとな。」


そう言って、高橋先生はコーヒーを一口飲んだ。


「そっか。」


俺の双子の妹は心臓病で本当は治らない病気のはずなのに、誰かに治ると一言言ってもらわないと、俺は安心できなかった。


高「あいつも最近頑張ってるよ。後はお前が支えてやらないと。」


「うん。」


そんな事言われなくてもわかってるけど、どうしても落ち着けない自分がいた。


いつ、いつ美優を失ってしまうか怖かった。


毎日毎日、びくびくしてた。


美優の方が、ずっとずっと怖いのにね。