レイは熱々のホワイトシチューを作ってくれていた。



夏姫は対面に座っているこっそりレイの顔を盗み見る。



夏姫の知っている男の食べ方ではなかった。



一緒に育った男の子たちはがっついて食べていた。



レイは違った。



(もしかして・・・レイくんは良い所のおぼっちゃま?)



着ている服も装飾品も夏姫にはわからないが高いもののようだ。



(どうして行く所がないって言うんだろう・・・もしかして家出?)



「夏姫さん?どうしたの?」



レイの事を考えていてぼんやりしていたらしい。



レイがスプーンを持つ手を止めて夏姫を見た。



「えっ?ううん なんでもない」


夏姫は考えている事を見透かされないように慌てて首を横に振った。