「夏姫さん?」


「買い物まで行ってくれてありがとう 払うからね」


バッグから財布を取り出す。


「夏姫さん!」


背後からレイの長い腕に抱きしめられた。



「レ、レイくん?」


驚いて夏姫は財布を落としてしまった。



「やめてよ・・・金なんて欲しくない」


「だ、だって 高校生に出してもらうなんて良くないよ」


「黙って」


レイは夏姫の身体から腕を外すと畳に落ちた財布を拾ってバッグの中へ入れてしまった。



(黙ってって・・・)



「ほら、布団に入って、ぶり返すよ」



仕方なく布団の中に入ると睡魔が襲ってきた。