髪にドライヤーをあてて、スウェットとトレーナーを着てお風呂場を出ると、レイが怖い顔をして狭い部屋の中央で立っていた。



「レイくん・・・・」


(いたんだ・・・)


レイの姿を見てうれしい気持ちになった。



「夏姫さん、シャワーなんて浴びて酷くなったらどうするんだよ?」


レイが怒っている。


「もう大丈夫」


レイの足元にスーパーの買い物袋が置いてあった。


「買い物に行ってたんだ」


夏姫の視線に気づいてレイは言った。



「いくらだった?」


夏姫は部屋の隅に置かれていたバッグを手にした。