「レストランはないよ ルームサービスにしようよ まず熱いお風呂に入ってゆっくりしたい」


レイが夏姫の腰に腕を回す。


「ルームサービスって・・・レイくんは家に帰らないの?」


困惑顔の夏姫。


「数ヶ月間、部屋を借りているんだ 僕の家はジャハールにあるから」


エレベーターは最上階に到着してレイは降りるように夏姫を促す。


「レイくん・・わからないよ ちゃんと説明して?」


日本語はぺらぺら、整いすぎている容姿は日本人にも見えるレイ。


ジャハールと日本のハーフだとは聞いていたけど外国に住んでいるとは思っても見なかった。




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夏姫は開いた口が塞がらなかった。


(いわゆる・・・ここって・・・スイートルーム・・?)


通された部屋は豪華な調度品の数々に豪華な家具。


そんなソファーに座ってと言われ夏姫はかぶりを振った。


(汚しちゃいそうだから・・・)


「じゃあ、ルームサービスを頼んでいる間にお風呂に入ってくるといいよ」


レイのコートのおかげでガタガタ震えることはないが身体の芯はかなり冷えてしまっている。


「でも レイくんの方が寒かったでしょう レイくんが先に入って」


「じゃあ、一緒に入る?」


不敵な笑みを送るレイに夏姫は手にしていたバッグを投げつけた。


「わ、分かったよ 今はあきらめるよ」


両手をあげて降参のポーズを取るレイはさまになっていてボーっと見惚れてしまいそうになる。