「そうだったんだ。初めて聞いたよ…」

「正樹はさ。いつも自分より、周りのこと気にしてる奴なんだよ。さっきだって俺に何回も『夏莉のこと頼む』って言ってきてさ…しつけえっつの」

「・・・」


そっか…

さっき正樹さんが龍美を呼んだのは、それを言ってたんだ……


そりゃあ、夏莉のこと心配だよね……






「龍美…」

「ん…?」

「現実に戻ったら…正樹さんにも絶対会わせてね?」

「…!・・ああ、必ず」




そのあと、私と龍美はホテルに泊まり、そのまま朝を迎えた‥

正樹さんが消えてしまう時間を迎えた時、私はやっぱり涙が零れた…