じゃあ、正樹さんに会えるのは…

今が最後なんだ………




「正樹。夏莉のことは心配すんな…俺に任せろ」

「サンキュ…」



龍美と正樹さんは、ガシッと握手をした。





「つーことで…早く出掛けてよ、お二人さん。俺はこのあと夏莉と、イチャつくんだからさっ」


いつもの正樹さんに戻った…

だけど私はわかってた。正樹さんの眼鏡が少し曇っていたことを…






「志乃。くれぐれも今は、夏莉に気付かれないようにしろよ」

「うん…」



龍美は、私の涙を手で拭いてくれた。