「とりあえずお前は今から、一泊できる準備しろ。俺たちは、今晩はホテルにでも泊まるぞ」

「うん…わかった……」



正樹さん、辛いだろうな…

せっかく二人の夜なのに、悲しいだろうな…



いや…

心臓が動くことは、本当はいいことなんだよね。


現実の自分が目覚めるんだから…

悲しいなんて、言っちゃいけないんだ。


私は複雑な想いのまま、一泊出来る準備を始めた。







数分後



「龍美、準備出来た…よ。ぁ…」


一泊出来る荷物を準備し、龍美の部屋を尋ねると…

龍美の一緒に正樹さんが、ビールを飲んでいた。





「志乃ちゃん…龍美から聞いたと思うけど、俺もうすぐ現実に戻っちゃうみたなんだ…」