シンドウはセカンドを後部座席に押し込むと、その両手両足を結束バンドで縛った。                     

 後頭部からは血が流れ、それを汚れたバスタオルで覆うと、シンドウは車を走らせた。                                
 セカンドは朦朧とした意識の中、バスタオルの隙間から見える月が陰っていくのを見つめていた。               


 どこに向っているのかはわからない。                              

 ただ少しずつ外灯の数が減っていき、どんどんと町の中心部から離れていっているのは理解できた。                          
 車が走れば走るほどに、車体の揺れは激しくなり、セカンドはいつしか気を失っていた。                               

 次にセカンドの目に風景が映り込んできたのは、シンドウによって車外に投げ出されたときだった。