「しー・・黙らないと人が来てしまうよ」                             

 セカンドの口を押えたその手は大きく、綺麗な細い指をしていたが、セカンドが口を開けられなくなるほど力強かった。                             

「死んじゃったね、あの子」                                   

 男はセカンドの耳元でそう囁いた。                               
 柔らかく透き通った声だったが、セカンドは身震いするほど恐怖した。                           
 その冷静な発言は静かにセカンドの心を攻撃し、そして逃げることもできない状況がセカンドを追い詰めていった。                               

「これじゃあの子は救われないよ。そもそも魂も汚れているんだ」                              

 男はセカンドの心情を汲み取る様子もなく、ただ淡々と言葉を口にしていった。