そして、もうそろそろ帰る時間になってきた。



「おーい、2人共
そろそろ帰るぞぉー」



水族館の横にある公園で遊んでいる2人に向かって叫んだ。



「はーいっ!!」



2人は勢い良く走ってきた。



「ちょっ、お前等……
顔泥だらけだぞ……
はぁ〜……、そこの水道で洗いにいくぞ」

「えっ!? あたしもですか!?」

「当たり前
ほら、早く来い」



それで、瑠夏の顔を洗ってやった。

梓は少し恥ずかしそうに洗っていた。



「ちゃんと洗えたか―?」



梓に尋ねた。



「多分……
鏡がないからわかんないけど……」

「おい、じゃあこっち向いてみろ」

「い、嫌ですっ!」

「はぁ? なんで?」

「な、なんか恥ずかしいから……っ」

「はぁ?
さっき泥だらけの顔を見てんだから、恥ずかしがることねぇだろ!?」

「で、でも……」

「あー、もぉ面倒くせぇなっ!!」



俺はそう言って、下に向いている梓の顎を掴んで、無理やり顔を上げた。



「……っ!!!!」

「……よしっ、なんもついてねぇな」



それで、手を離した。