「梓、その子知り合い?」



杏くんが聞いてきた。



「この子は、なんと松崎さんの弟のです!」

「えっ、マジ!?」

「マジマジ
しかも、松崎さんってばゆう……いててててっ」



ゆうくんって言おうとした瞬間、松崎さんに頬っぺたをつねられた。



「ほれ、ストロベリームース2つ
さっさと行け」

「は、はい……」



オボンには小さい紙があった。

そこには……、『杏に言ったらバイト辞めさす』って書いてあった。


松崎さんの方を見てみると、こっちを見て、いや、睨んでいた……。

こ、怖ぇ〜……(汗)

自分で血の気が引くのがわかった……。


あたしは、真っ青な顔でお客様のところに行った。



「お、お待たせしました
ストロベリームース2つです」

「ありがとう……って、どうしたの?
顔色悪いよ? 大丈夫?」

「いえ、大丈夫……です
心配してくださって、ありがとうございます
ごゆっくりどうぞ」



それから、あたしは松崎さんの冷たい視線に怯えながらバイトをした……。