「欲しいのか?」

「えっ!?
あー……、買おうか買うまいか悩んでるよですよ
うーん……、どうしよう……」

「欲しいなら買えばいいだろ」

「そんな簡単な問題じゃないんですよ……」

「なにが?」

「松崎さん、女の子は太りやすいんですよ」



あー、体重を気にしてるのか。



「運動すればいいじゃん」

「う、運動はちょっと……」

「苦手なのか?」

「苦手というか……、面倒……」

「大丈夫、梓
俺はちょっと太ってる方が好きだから
(ガリガリよりは)」



と杏が言いながら、梓の後ろから肩に腕を置くように抱きついた。

梓は顔をあげて、杏の方を見た。



「ありがとう、杏くん!
じゃあ、思い切って買うよ!」



……本当に、兄妹みたいだ。



「松崎さん、ガトーショコラ1つ買いますね」

「自分で入れろよ」

「はーい」



それで、ガトーショコラを買ってから、2人を帰らせようとした。

俺は、明日の準備と今日売れた分の集計があるから。