さっき来た、男2人組が梓の名前を聞いてきた。

すると、杏が梓の傍に行って……



「ナンパはお断りでーす」


と言った。


やっぱ、あいつの顔は客が寄って来るわ……。

あいつが来てから男の客も少し増えた気がするし。

と俺がそう思っていると……



「梓ー」

「なに?」

「名前聞かれても、あんまり答えちゃ駄目だよ?」



杏が梓の頭を撫でながら、首をかしげて言った。



「背が小さいからって、子供扱いしないでよー!」

「子供扱いじゃないよ
心配してんだよ」

「それを子供扱いって言うじゃんかー!」



また、戯れてる。

昨日から、あの2人はよく戯れてる。

なんか、兄妹みたい……って言ったら、また梓が怒るんだろな……。



「おい、お前等
いつまで戯れてんだ
働け働け」

「「はーい」」



それから、いつも通り働いた。



カランカラン...

「「いらっしゃいませー」」



5歳ぐらいの男の子が入ってきた。


それから、その子はケーキクーラーをじーっと見つめていた。

何か買うのか?


そう思いながら、その子を見ていると……



「す、すいませんっ!」

「はい」



大声で話し掛けてきた。