「いやっ、別にいいですよ」

「あっ!!
お礼にケーキ食べていってくださいよ
あたしが奢ります!!」

「届けただけですから、別にいいですよ」

「いえいえ!
それではあたしの気がおさまりませんので!」



そう言って、旬の背中を押していった。



「ちょ、ちょっと…」

「はいはい、ここにお座りください
はい、これメニューです」

「あ……、じゃあティラミスで」

「かしこまりました
少々、お待ちください」

「松崎さん、ティラミス1つ」

「はいよ」



あたしは、旬の席に持っていった。



「お待たせしました
ティラミスです」

「あ、ありがとう」

「ごゆっくりどうぞ」



あ〜……、旬はやっぱ良い奴だな……。

もう、感動したよ……。

あの時、旬が来てくれなかったら、死ぬところだったよ。



………んっ?

ちょっと待って……、今、旬はあたしのバイト先でケーキを食べてる……。

しかも、あたしの奢りで……。


これって、バレるかもしんないじゃん!!

わ、忘れてたー!!

どうしよう……。


あっ、とりあえず、お腹すいたついでに、休憩をもらおう!