家でわたしに何かを知らせてくれるあのランプとは違う、真っ赤で怖い色のランプが周辺を照らしていた。


救急隊員の人たちが切羽詰まった顔で、担架に順也を乗せる。


その際に、順也の右足がぐにゃりと垂れるのを見て、わたしは気が狂ってしまった。


呼吸が乱れる。


担架に乗せられて救急車に運び込まれる順也に、わたしは飛び付いた。


「ちょっと、きみ」


でも、救急隊員の人が邪魔だと言わんばかりに、わたしを腕で払った。


その反動で、わたしはアスファルトの上に尻餅をついた。


手のひらにぐにゃりとした感触が走り、生ぬるい温度が伝わってきた。


大型トラックの排気ガスの匂いが、嫌でたまらなかった。


手のひらを見ると、真っ赤な血が一面に付着していた。


怖かった。


呼吸が激しく乱れ、身体が勝手に震えて止まらなくなった。


わたしの横を、裸の足が通過した。


静奈だ。


静奈は本当に気が狂ってしまったようだった。