もう大丈夫だよ。
忘れようって思えた。
雪兎と一緒で良かった。
…なんて思っていたのも束の間だった。
水族館の中にあるレストランで食事を取っていた時、出会いたくない人物に会ってしまった。
…それから幸せは脆くも崩れ落ちていくことになる。
「やあ、ゆきじゃないか」
低く少し馬鹿にするような声に私は顔を青くして振り返った。
其処にいたのは、私の叔父であり私を苦しめた山咲賢治(ヤマサキケンジ)だった。
しわのある顔にいやらしい笑顔。
もう逃げられたとばかり思っていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…