「…誰か来るぞ」


アタシの口を手で塞ぎ、周囲に目を見張る

耳を澄まし足音を確認する頃には目の前まで迫ってきているように聞こえた


「此処で待っておれ」


聞こえるか聞こえないか分からないような声で呟き、立ち上がる

緊張感が一気に押し寄せてきた


「誰だ!「兼次様!な、何をなさって…」


突き立てられた剣の矛先は同じ格好をした侍の首だった


「あの女は何ですか!」